お米ができるまで
お米の作り方

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稲の生長段階
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活着期(かっちゃくき)
4月中旬~5月中旬
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「活着(かっちゃく)」とは、根が張ることをいいます。
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田植えを行ってから7日前後で、苗は活着し始めます。水の管理も大切で、新しい根が出るのを助けるため、活着するまでは田んぼの水を深くして、寒さや風から苗を守ります。活着後は、根も張られ苗も安定してくるので、田んぼの水を浅くします。 -
分げつ期(ぶんげつき)
5月中旬~6月中旬
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「分げつ」とは、稲の茎が枝分かれしていくことをいいます。稲は活着後、温度の上昇とともに葉の数が増えていき、葉が5~6本になると、茎の節から新しい茎が生まれ次々と茎が増えていきます。
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幼穂形成期(ようすいけいせいき)・穂ばらみ期
6月中旬~7月末
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幼穂形成期(ようすいけいせいき)は、茎や葉の生長と共に穂が発育し始める時期で、稲穂のもとになる「幼穂(ようすい)」ができ始めます。穂ばらみ期は、出穂(しゅっすい)前10日前後の時期で、外見は、茎が穂を包むような形になります。
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出穂(しゅっすい)期・開花期・穂揃(ほぞろ)い期
8月~9月上旬
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出穂期は、田んぼの40~50%が出穂(将来実となる穂が茎から出てくること)した時期をいいます。開花期は、花が咲き受粉する時期になります。穂揃(ほぞろい)期は、田んぼ全体の80~90%が出穂した時期をいいます。
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登熟(とうじゅく)期・成熟(せいじゅく)期
9月中旬~10月上旬
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登熟(とうじゅく)期は、花が咲いた後の実が成熟する時期をいいます。受粉すると、胚芽が大きくなり、中身も充実していき、米粒大の硬い実ができてきます。それから、実の中のでんぷん等ができ始めます。成熟(せいじゅく)期は、種子が完全に熟する前のもみが約90%近く黄色くなった時期をいいます。
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収穫
~10月末
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品種によって違いがありますが、収穫を始める目安は、穂が出てからの積算温度(穂が出てから毎日の平均気温を足した気温)が約1,000度に達した時になります。収穫後は、農家さんが個人で持っている乾燥機やカントリーエレベーターと呼ばれる大型乾燥調製施設等で乾燥調整作業が行なわれます。
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稲作りの作業
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塩水選(えんすいせん)
3月~4月
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中身の充実した重い良い種を選ぶために、浮かす力が強い塩水を使って、種の選別を行います。塩水に種を入れ、沈んだ重い種だけを選びます。
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種子消毒(しゅししょうどく)
3月~4月
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種には元々、いもち病といわれる稲の生長を妨げる病気などの病原菌が付いています。これらの病原菌を殺すために、薬やお湯を使って消毒します。
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浸種(しんしゅ)
3月~4月
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種の発芽をさせやすくし、発芽のタイミングを揃えるために種に水分を吸収させます。
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催芽(さいが)
3月~4月
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後々の田植えをやりやすくするため、水を吸わせた種に長時間一定の温度を加えて発芽をさせ、芽の長さを揃えます。
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床土(とこつち)を選ぶ
3月~4月
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育苗箱(いくびょうばこ)(苗を育てる専用の箱)に詰める土を床土(とこつち)といいます。有機物が無く、水はけと空気の通りが良いものが良い床土の条件です。
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播種(はしゅ)
3月~4月
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種をまくことを播種(はしゅ)といいます。育苗箱に、芽が出た種を均一にまき、土をかぶせるまでが播種作業です。
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育苗(いくびょう)
3月~4月
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種をまいた育苗箱を、ビニールハウス等の中に並べて育てることを育苗(いくびょう)といいます。育苗では、水やりと、苗の生長度合に合わせたこまめな室内の温度調節が必要です。
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田起こし・施肥(せひ)
5月
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田んぼに肥料(チッソ・リン酸・カリ)の散布を行ってから、トラクターで土を耕します。
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代かき(しろかき)
5月
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田んぼを耕して水を入れたら、表面を平らにならして水の深さをそろえます。田んぼから水が漏れないようにするほか、田植えをしやすくするための作業です。
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田植え
5月
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稲作りの本番に入る作業です。現在では、田植え機を使って田植えをするのが一般的になり、大変楽になりましたが、それでも育苗ハウスから苗を運んだり、運んだ苗を田植え機に取り付ける作業があったり、使い終わった育苗箱を全て洗う作業があったりと、いろいろと手間のかかる作業になっています。田植えを始める時期は、苗が田植えに適した大きさになった時です。田植え機で田植えをするのに適した苗は「葉が2.5~3枚に成育した苗(葉が3~4枚になった後に次葉が2.5枚くらいで、長さが約12cmくらいのものだといわれています)」です。
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水管理
5月
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苗の生長や気候などに合わせて、用水路を利用して水の深さを調整します。
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生育調査
6月~9月
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今後、どのように生育管理を行っていけばよいかを決めるために、指導員が定期的に田んぼの中の稲の生育状況について調べて回る生育調査を行っています。稲の背丈や株分かれの数、葉の枚数や色、出穂した時期などいろいろな項目を見て回り調査します。
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水管理
6月~9月
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苗の生長や気候などに合わせて、水の深さを調整します。稲は寒さに弱いため、あまり気温が下がらないようにするときは、水を深くして稲を寒さから守ります。(深水管理)
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除草(じょそう)
6月~9月
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田植え後、気温が高くなるにつれて田んぼの水温も上がり田んぼに雑草が生えてくるため、事前に除草剤の散布等を行い、雑草が生えないようにします。
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中干し(なかぼし)
6月~9月
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6月頃になると、気温が上がり土の中の有機物(微生物など)の分解も盛んになり、稲に害となる有毒ガスが発生しやすくなります。そのため、一時的に田んぼの水を抜いて土を乾かすことで土の中の空気の入れ替えを行い、稲の根を元気にさせます。
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溝切り(みぞきり)
6月~9月
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土の中の有害なガス等を外に出し、新鮮な空気を土の中にいれるための作業を溝切りといいます。また、溝切りによって溝は排水路の役割も果たすため、その後の水管理を簡単にするための作業にもなります。一般的な溝の深さは約15cmほどといわれています。
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追肥(ついひ)
6月~9月
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田植えの時にまいた肥料の効果が無くなってくる頃なので、稲の生育の状態に合わせて、田んぼにまく肥料の量を調整します。
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防除(ぼうじょ)
6月~9月
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稲の生長を妨げるいもち病の他、様々な病気や虫の発生に備えて、地域別に定められた防除作業(あぜみちの草刈り、薬剤の散布等)を行い、病気や虫の発生を抑えます。
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落水(らくすい)
10月
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収穫作業に備えて、収穫前に田んぼの水をぬくことを落水といいます。落水は、時期が遅いと土が乾かず、早いと米粒がひび割れたりする恐れがありますので、実施するタイミングがとても大切です。
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稲刈り
10月
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稲作りの総仕上げの作業です。現在では、主にコンバイン(刈取り機械)といった機械に乗って、刈取・脱穀作業を行います。稲刈りの時期は早すぎると、完全に米粒にならないものが多くなり、また遅すぎると米粒が割れてしまったりするので、稲刈りの時期を決めるのはとても大切です。稲刈りするタイミングは、田んぼ全体のもみの内、90%近く黄色くなった時が目安といわれています。ただし、この時期に雨が続いたりすると田んぼがぬかるんで、刈取り機械が田んぼに入って作業ができないこともありますので、稲刈りの時期は天候状態も大切です。
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田んぼの構造
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山からとけだした養分をたっぷり含んだ川の水は、用水路を通じて田んぼをうるおします。作土層は稲を育てるためにたがやされた、養分や有機物に富んだ土の層。その下のすきどこ層は土がしっかり固めてあるので水を通しにくく、ねんど質の土をもりあげた畔は壁になって、プールのように水を貯める働きをします。田んぼに水をはると土の中は酸欠状態になり、有害生物が死滅して、作物がよく育つ中性の土壌に保たれます。また稲は土と水の両方から養分を吸収でき、川の水が絶えず運んでくる養分が天然の肥料になります。こうして田んぼの土は、毎年お米を作り続けても土の力が豊かに保たれるのです。
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田んぼと自然環境
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- 水をきれいにします。土の層がよごれた水をこし、有害なチッソも分解して(無害にして)放出します。
- 洪水や土砂くずれをふせぎます。田んぼは雨水をいったんため、ゆっくり放出するので、洪水や土砂くずれをふせぎます。
- 気温を調節します。水蒸気をたっぷり発散して、気温が上がるのをおさえます。
- 地盤沈下をふせぎます。地下水と川の水の量のバランスをとりながら、雨水をゆっくり地中に浸透させるので地盤沈下をふせぎます。
- 生物のすみかになります。カエル、トンボ、イナゴ、ドジョウ、フナなどたくさんの生物がすんでいます。
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田んぼ定点観察
地域によって多少の違いはございますが、一般的にお米は毎年9月~11月の間に刈取・収穫されます。
ここでは、日本を代表するお米の産地である「新潟県」と「秋田県」の田んぼの様子を観察していき、お米(稲)の成長度合いを確認しながら、収穫までの様子を記録していきます。
新潟県(協力:JA新潟かがやき)
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播種(はしゅ)
時期
4月中旬
いよいよ平成27年産のお米の栽培がはじまりました。
まずは、おいしいお米ができるように選び抜いた、種となる「籾(もみ)」を育苗箱(いくびょうばこ)にまいて育てていきます。
今は、この播種作業(はしゅさぎょう)を機械で行うのが一般的です。 -
育苗(いくびょう)
時期
5月上旬
育苗箱(いくびょうばこ)にまいた籾から、苗がすくすく育ってきました。育苗期間は、苗が田植えのしやすい大きさまで育てます。
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田起こし・代かき(たおこし・しろかき)
時期
5月上旬
田起こしをした田んぼに水を入れて、表面を平らにします。
代かきは、田植えをしやすくするためのとても大事な作業で、農家さんの腕の見せどころです。 -
田植え(たうえ)
時期
5月中旬
田んぼと苗の準備を整えて、いよいよ田植えがはじまりました。田植え機に乗って、どんどん苗を植えていきます。ここから、約4ヶ月くらいかけて植えた苗を育てていきます。
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中干し・溝切り(なかぼし・みぞきり)
時期
6月中旬
植えた稲も順調に分げつ(枝分かれ)し、育っています。6月に入り気温が上がってきたので、土の中の空気の入れ替えを行うため、溝切りをしました。
この後、田んぼを乾かして中干しをします。 -
幼穂形成期(ようすいけいせいき)/穂ばらみ期
時期
7月下旬
天候状況もよく平年並みかそれ以上の推移で順調に生育しています。近いうちに出穂しそうです。
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出穂期(しゅっすいき)
時期
8月中旬
稲穂の中にあった幼穂が生長し、出穂してきました。この時期、運が良いと稲の「花」も見ることができます。
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穂揃期(ほぞろいき)~登熟期(とうじゅくき)
時期
8月下旬
出穂が進み、穂先が垂れてきました。生長が進み穂がもっと重くなってくると、より稲穂らしい格好になっていきます。
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登熟期
時期
9月上旬
穂の中の充実も進み、この頃から米粒大の硬い実ができてきます。その重さで穂もよりいっそう垂れてきましたね。
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成熟期~落水
時期
9月中旬
籾の成熟も進み、収穫時期の目処がたってきたので、田んぼの水を落とし始めました。落水のタイミングはお米の生長でとても重要です。
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稲刈り(収穫)
時期
9月下旬
いよいよ稲刈りです。機械化が進んだ現在では、コンバインでの稲刈りが一般的です。田んぼにコンバインを乗り入れ、稲を刈っていきます。
秋田県(協力:JA秋田ふるさと)
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播種(はしゅ)
時期
4月下旬
いよいよ平成27年産のお米の栽培がはじまりました。
まずは、おいしいお米ができるように選び抜いた、種となる「籾(もみ)」を育苗箱(いくびょうばこ)にまいて育てていきます。
今は、この播種作業(はしゅさぎょう)を機械で行うのが一般的です。 -
育苗(いくびょう)
時期
5月上旬
育苗箱(いくびょうばこ)にまいた籾から、苗がすくすく育ってきました。育苗期間は、苗が田植えのしやすい大きさまで育てます。
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田起こし(たおこし)
時期
5月上旬
田んぼの方も、稲を育てるための準備がはじまりました。まずは、しっかりとした稲が育つよう土づくりを行っていきます。トラクターに乗って土を掘り起こして肥料をまきます。おいしいお米をつくるためには、欠かせない作業です。
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代かき(しろかき)
時期
5月中旬
田起こしをした田んぼに水を入れて、表面を平らにします。代かきは、田植えをしやすくするためのとても大事な作業で、農家さんの腕の見せどころです。
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田植え(たうえ)
時期
5月下旬
田んぼと苗の準備を整えて、いよいよ田植えが始まりました。田植え機に乗って、どんどん苗を植えていきます。ここから、約4ヶ月くらいかけて植えた苗を育てていきます。
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中干し(なかぼし)
時期
7月上旬
7月に入りました。植えた稲も順調に分げつ(枝分かれ)しています。 ここで一旦水を抜き乾かして、土の中の空気を入れ替えています。
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出穂(しゅっすい)
時期
7月下旬
天気に大きな問題もなく、順調に育っています。
早いところでは、いよいよお米のもととなる「穂」が出てきました。 -
出穂期(しゅっすいき)
時期
8月上旬
まばらだった稲穂の出穂も、田んぼ全体に広がり本格的な出穂期に突入しました。これからどんどん稲穂らしい姿に変わっていきます。今後の生長が楽しみです。
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穂揃期(ほぞろいき)~登熟期(とうじゅくき)
時期
8月中旬
出穂した穂が垂れてきました。この時期から穂の中が充実していき、将来お米になる部分が生長していきます。
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登熟期
時期
8月下旬
穂の充実も進み、米粒大の硬い実ができてきます。その重さで穂もよりいっそう垂れてきましたね。
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成熟期
時期
9月上旬
もみが熟してきて、黄色くなってきました。
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落水
時期
9月中旬
稲の生長も進み、収穫の時が迫ってきました。収穫作業に備えて、田んぼの水を落とします。落水のタイミングを間違えると、せっかく育ててきたお米の品質も歩くなってしまうので、大事な作業です。
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収穫期
時期
9月下旬
籾の黄化が田んぼ全体の80~90%迄進んできました。
いつでも稲刈りができる状態です。 -
稲刈り(収穫)
時期
9月下旬~10月上旬
いよいよ稲刈りです。機械化が進んだ現在では、コンバイ ンでの稲刈りが一般的です。田んぼにコンバインを乗り入れ、稲を刈っていきます。天気も晴天で、まさに稲刈り日和ですね。