1924年の創業以来、ヤマタネは国内屈指の米卸売業としてコメを供給している。ヤマタネの食品本部は産地から、消費者が口にするまで「おいしいコメを」というこだわりを持ち、仕事に取り組んでいた。
ヤマタネの原点はコメにあり!
創業者の山崎種二は「米は味にあり」と語った、今から90余年も前の信念は今も生きていた。食品本部は産地情報を入手し、ときには現地に出向き社員が自分の目で稲を見て出来を確かめる。精米工場では最新設備による検査や精米はもちろん、日々コメの品質を確かめる徹底した検査が行われる。
こうして「ヤマタネファミリーライス」は生まれ、社員たちが米穀店、量販店、外食産業などマーケットのニーズに応じたコメを供給し、消費者に提供している。単に品物を運ぶだけではなく品質にこだわる。
今や総合物流商社へと発展したヤマタネの原点はここにある。
激化するコメ市場! 社員は企画提案していく
規制緩和によりコメの流通は激変した。地域の米穀店のほか、スーパー、コンビニエンスストアなどの量販店が加わり、さらに外食産業への販売とマーケットは激化の一途をたどっている。
社員は販売店へ足を運んで消費者のコメへの嗜好を調査したり、産地の情報をもとに販売するブランド米等の提案や、無洗米、農薬低減米、ブレンド米など特徴ある新商品を提案する。それらの提案に伴い精米工場も対応していく。
「いつ、どこで、どんなニーズがあるのか?」。日々のタイムリーな情報に気を配り、ヤマタネ独自のスタイルで販売企画をたてる。これも食品本部の仕事だ。
おいしい笑顔のために働く、コメのプロフェッショナル
食品本部には日本の主食を扱う喜びと緊張感がつねにある。
仕入れ担当社員は産地の農業関係者を訪ね、稲の細かな成育情報を確かめる。精米工場の検査を担当する社員は科学的な検査を行いつつ、試食して自分の舌で味を確かめる。外食産業の営業担当社員は、店舗メニューを調べて「さらに、どんなコメが合うか」「コメの炊き方は」と、おいしいご飯へのこだわりを見せる。量販店の営業担当者は店舗での商品ディスプレイを考える。
「コメのことならおまかせください」。これが食品本部の誇りだ。
毎日口にするコメだから消費者は「安心して食べられるおいしいコメ」を求める。それらのニーズにこたえるため、食品本部は、精米工場で品質チェックを繰り返し、あらゆる消費者ニーズの情報を収集し販売店や飲食店へコメを届けている。
産地の稲の出来を注意深く見つめる
近年、消費者のコメへの嗜好は広がりを見せている。「新潟産コシヒカリ」「秋田産あきたこまち」といったブランド米はもちろん、玄米や胚芽精米、雑穀米への嗜好も高まっている。
仕入担当者は産地の稲の成育情報を注意深く見つめている。気候により産地の出来は変化する。どこのコメをどれだけ確保できるのか?
また営業を担当するものは店舗を訪ねてタイムリーなマーケット情報を入手する。産地&求める消費者、2つの情報を分析してコメを仕入れる。
理化学検査でおいしさを確かめる
産地から運ばれたコメは精米工場で、いくつもの異物除去のための機械を通り、精米されていく。
この工場のラインを経たものだけが安心して食べられるヤマタネファミリーライスとして出荷される。品質検査も多岐にわたる。
生産ロットごとの品質検査に加え、精米工程等に関するデータの収集や検証にも取り組んでいる。
さらに炊飯したコメの試食テスト、アミロースやたんぱく質などの含有率を測定する理化学的測定が行われていた。
売り時を逃すな! マーケットに合わせて出荷される
食品本部の営業担当者は「売り時を逃すな!」と、つねに店舗をまわり、売れる商品を提供している。
それぞれの地域、それぞれの店舗によって売れる商品の動きは違う。外食産業を担当する社員はコメのメニュー適性品質や炊き方といった研究に励む。
日々のニュースや社会動向にも気を配りながら、工場から販売店や飲食店へ、創業90余年で培ったノウハウを駆使して納品される。
そして構築したトレーサビリティシステムで消費者の声に対応していく。
「食品本部の仕事の醍醐味は?」。千葉県のスーパーを訪問していた食品本部の営業マンがコメをめぐる仕事の楽しさを語る。
4社約200店舗の販売を上げるために!
私が現在担当しているのはスーパー4社で店舗数にすると約200店舗になります。ほかに新規開拓もあります。
営業は足で稼げが基本ですから、つねに店舗まわりは基本になります。店長と話すのは、関連商品が売れるような陳列方法、消費者の動向と情報交換を頻繁に行っています。
いかにして店舗の売上を伸ばすか? 営業として顧客の売上に寄与するのは当然のことなんです。
新規開拓は営業の醍醐味
私たちの仕事は、ただ顧客をまわるだけでなく新規開拓があります。以前、外食産業を担当していたときに、焼肉のチェーン店の仕入れ部に通いました。そうして信頼関係を築いていきます。
そして、精米工場を見学してもらったり、コメについての情報を提供していくことで取引を始めることになりました。ヤマタネは品質管理をはじめ営業として競合他社に負けないものがいくつもあります。社としての強味を生かすのが使命でもあるのです。
5月の田植えから産地情報を!
スーパーとの取引は、たいてい本社仕入れ担当者とのやりとりで決まります。
5月の田植えの時期からつねに産地情報を提供して、仕入れ担当者に求められれば産地視察の案内をすることもあります。こうしたことで「一緒においしいコメを売る」パートナーとなれるのです。
そして、年に一度のプレゼンテーションへつなげていきます。日ごろから店舗で消費者へ売る立場でマーケットを見ること、これが営業の仕事の心得であり、それが成果となるのが食品本部の仕事の醍醐味なんです。