新株主優待 棚田米を使用した日本酒「純米吟醸やまたね」を醸造する中川酒造㈱様へのインタビュー ~ 製造の裏側に迫る!~

株主優待

新株主優待 棚田米を使用した日本酒「純米吟醸やまたね」を醸造する中川酒造㈱様へのインタビュー ~ 製造の裏側に迫る!~

当社は2024年6月3日より、持続可能な社会の実現に向けた取り組みとして、NPO法人越後妻有里山共同機構が運営する「まつだい棚田バンク」の法人会員となり、「星峠の棚田」の保全活動に取り組むこととなりました。あわせて本年度より、株主の満足度向上と当社サステナビリティ方針に共感していただける株主の増加を目的として優待品の内容を拡充し、棚田米を原料とした日本酒や棚田で収穫したお米、棚田での田植え・稲刈り体験を提供します。
 
今回は、新優待品の一つである日本酒「純米吟醸やまたね」を製造していただいている中川酒造㈱様に、酒蔵での日本酒づくりの様子を見学させていただくとともに、「純米吟醸やまたね」にかける思いやこだわりを伺いました。

目次

    中川酒造㈱ 常務取締役 飯利(いいり)氏へのインタビュー

    中川酒造㈱について教えてください。

    当社は1888年(明治21年)創業で、創業から約135年を迎えました。従業員数としては、役員なども含め現在11名を通年雇用しています。業務量には季節性があり、夏は閑散期にあたります。一方で冬の酒造期(10月~翌3月)は繁忙期で、酒づくりの仕事は体力的にもかなりハードなため、普段は農家をやっている方を酒造期に限定で採用するケースも多いです。大手の酒蔵ではコメを研ぐ人や酒粕を扱う人などのように、役割分担を行うことで属人化している場合もありますが、当社は酒蔵で日本酒づくりに従事する蔵人全員がオールマイティに仕事ができることを強みとしています。

    ▲ 日本酒づくりについて熱意をもって語られる飯利氏

    昔の酒蔵は、伝統やしきたりを重視し自分の役割に誇りを持つ方も多かったのですが、今はそんなことを言っていたら冬は業務が回りません(笑)。当社は平均年齢も約40歳と若いため、蔵人はフットワークが良くオールラウンドプレーヤーとして活躍してくれています。昔は、日本酒づくりの最高責任者である杜氏(とうじ)の手が綺麗なのは指示を出してばかりで働かないから、なんて冗談交じりに言われていましたが、近年は杜氏制度を廃止する酒蔵も増えており、実は当社も杜氏ではなく製造部長という位置づけにしています。酒蔵においても季節労働ではなく通年雇用がトレンドとなる中で、業界としての変化を感じています。

    社風についても教えてください。

    現在は平均年齢が約40歳ということもあり、「恐れを知らない」という言葉がマッチしています。5年ほど前までは80歳の杜氏がいらっしゃって、ベテランとしての経験・知恵から「リスクをとるのはダメだ」と言われることも多々ありました。そこから「とりあえずやってみよう」という社風に変化してきました。最近では、社員自らが日本酒づくりについて色々調べて発信してくれるようにもなり、良いサイクルが回っていると感じています。

    当社から、株主優待品として、棚田米を使用した日本酒の製造を依頼されたときの印象を教えてください。

    今回の「純米吟醸やまたね」は、酒造好適米という日本酒を醸造するための原料として生産されたコメではなく、食用として生産されたコメである飯米を使用した日本酒となっています。当社は元々コシヒカリを100%使用した日本酒づくりについて実績があり、それをフックに今回のお話をいただいたものと認識しています。今回、棚田米を使用した日本酒づくりというお話をいただいた際は、手前味噌ですが、飯米を使用した日 本酒づくりには自信がありました。一方で、「星峠の棚田」で穫れたコメの美味しさは地元新潟県でも有名でしたから、その棚田米を使用することはとてもプレッシャーでした。失敗は許されない、と蔵人は一致団結していました(笑)。今回のお話は、当社にとっても大きな刺激になりました、楽しくかつ緊張感をもって仕事をすることができました。

    飯米と比べて酒造好適米は、文字通り酒づくりをしやすいおコメであると仰っていましたが、なぜ飯米を使用した日本酒づくりに挑戦されたのでしょうか。

    やはり新潟県の酒蔵として、県の主産品であるコシヒカリを使用した日本酒を作りたいという想いがありました。飯米を使用した日本酒は、しっかりと作れば酒造好適米を使用したものに比 べて、深い味わいを持つ日本酒に仕上がりやすいという特徴があります。淡麗辛口の日本酒がトレンドだった当時において、旨味の強い日本酒を作りたいという思いで作り上げました。これに挑戦した当時の杜氏は「伝説の杜氏」なんて呼ばれていたんですよ(笑)。

    「純米吟醸やまたね」の特徴を教えてください。

    「純米吟醸 やまたね」は、しっかりとおコメの旨味を感じられるように、香りを控えめに抑えた商品に仕上がっています。当社は地元消費が約8割を占めますが、実は地元では当社の日本酒は「お燗」にして飲まれることが多く、「全国燗酒コンテスト」では3年連続で最高金 賞をいただきました。冷酒でも燗酒でも美味しく飲めるお酒です。ぜひ召し上がってください。

    ▲「全国燗酒コンテスト」お値打ちぬる燗部門 最高 金賞を三年連続受賞

    最後にヤマタネグループ役職員にメッセージをお願いします。

    棚田米を使用した日本酒づくりは、当社にとっても一つの挑戦でした。ゆくゆくは生産者の安定収入にも繋がれば、というのが当社の中長期的な狙いでもあります。酒蔵は、コメを作ってくださる農家の方々がいなければ仕事をすることができません。生産者の方々を必要としている以上、ヤマタネさんと我々は同じ価値観を持っているということでもあります。これからも連携して、情報共有などを行っていきたいですね。

    ヤマタネからのコメント

    今回の見学を通して、「純米吟醸やまたね」に懸けた思いやこだわりを伺うことが出来ました。少し気恥ずかしくなりながらも写真撮影に応じてくださった蔵人の方々、本当にありがとうございました。
     
    「純米吟醸やまたね」づくりを始めとしたヤマタネグループの棚田保全の取り組みはこれからも続いていきます。今後も継続的に動向をお伝えします!